目次
１ はじめに― 相続放棄をしたのに督促が来るという不安
「相続放棄をしたはずなのに、金融機関や債権回収会社から借金の督促が届いた」
「もう関係ないと思っていたのに、突然請求書が来て不安になった」
宮城県仙台市太白区長町周辺でも、こうしたご相談は決して珍しくありません。
相続放棄という制度は、「借金を引き継がないための手続」であるにもかかわらず、
実際には相続放棄後に督促を受けて戸惑う方が少なくないのが現状です。
結論から言えば、
相続放棄をしていても、督促が届くこと自体は珍しいことではありません。
一方で、対応を誤ると、
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放棄したはずの借金を支払うことになる
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裁判を起こされてしまう
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精神的な負担が長期化する
といった深刻な結果につながる可能性もあります。
この記事では、相続放棄と借金督促の関係について、
法律の基本だけでなく実務上の注意点も含めて、できるだけ分かりやすく解説します。
２ 相続放棄と借金の基本 ― なぜ督促が来るのか
（１）相続放棄とは何か
相続放棄とは、家庭裁判所に申述を行い、
最初から相続人ではなかったものと扱ってもらう制度です。
相続放棄が正式に受理されると、
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預貯金や不動産などのプラスの財産
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借金や保証債務などのマイナスの財産
のいずれも引き継がないことになります。
そのため、相続放棄をした場合、原則として
被相続人の借金を支払う義務はありません。
（２）それでも督促が来る理由
では、なぜ相続放棄をしているのに督促が来るのでしょうか。
主な理由は次のとおりです。
① 債権者は相続放棄を自動的に把握できるわけではない
家庭裁判所が相続放棄を受理しても、
その情報が金融機関や貸金業者に自動的に伝わるわけではありません。
そのため、債権者側では
「相続人らしき人」に対して一斉に通知を送ることがあります。
② 相続関係が複雑になっている
宮城県内でも、
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相続人が複数いる
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相続人が遠方（県外）に住んでいる
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相続人の一部と連絡が取れない
といった事情から、相続関係が複雑になっており、債権者が相続関係を正確に把握しきれていないケースは多くあります。
③ 相続放棄が有効に成立していない可能性
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被相続人が死亡してから３か月が経過した後に、相続放棄の申述をしている
- 実は「単純承認」（相続を承認した）と評価される行為をしていた
この場合、債権者が相続放棄の有効性を争う可能性が十分にあります。
３ 相続放棄後の督促への正しい対応と注意点
（１）督促は無視してよいのか？
「相続放棄しているのだから無視してよいのでは」と考える方もいます。
確かに、単なる案内文や一般的な請求書であれば、そのように考える方も少なくないでしょう。
しかし、無視し続けることはおすすめできません。
特に注意が必要なのは、
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内容証明郵便
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裁判所から届く支払督促・訴状
これらを放置すると、
相続放棄をしていても不利な手続が進んでしまう可能性があります。
（２）やってはいけない対応 ― 単純承認のリスク
相続放棄後であっても、次のような行為は非常に危険です。
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借金の一部を支払う
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分割払いの相談をする
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電話で「自分が対応する」と伝える
これらは法律上、「単純承認」（相続を承認した）と評価される可能性があります。
一度単純承認と判断されると、
相続放棄自体が認められなくなるリスクがあるため、特に注意が必要です。
（３）正しい対処の流れ
相続放棄後に督促が来た場合、基本的には次の対応を取ります。
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家庭裁判所が作成した相続放棄申述受理通知書又は相続放棄申述受理証明書を確認する
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債権者に対して相続放棄をした事実を通知する（相続放棄申述受理証明書の写しを送る）
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それでも止まらない場合は弁護士に相談する
多くの場合、適切に通知を行うことで督促は止まります。
しかし、債権回収会社が関与している場合など、専門的な対応が必要になることも少なくありません。
４ おわりに―お早めの確認と相談が安心につながります
相続放棄は、被相続人が残した借金の問題から身を守るための有効な制度です。
しかし、相続放棄をしたからといって、すべての問題が自動的に解決するわけではありません。
特に、
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被相続人の借金が複数ある
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「単純承認」（相続を承認した）と評価される行為をした可能性がある
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相続関係が複雑
といった場合には、判断や対応を誤るリスクが高くなります。
「この督促は無視してよいのか」
「相続放棄は本当に有効なのか」
少しでも不安を感じた場合は、
お早めに（法的紛争解決の専門家である）弁護士に相談することが、結果的に早期解決と安心につながります。
このような方はお早めにご相談ください
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相続放棄をしたのに借金の督促が届いており不安
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「単純承認」と評価される行為をしたかもしれない
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宮城仙台市太白区長町で相続の問題を相談したい
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裁判所から届いた書類の対応に困っている
相続放棄をしたにもかかわらず督促が来た場合、
「対応を知らなかった」「対応を間違えた」ことで不利になるケースが少なくありません。
状況に応じた適切な対応を取るためにも、お早めのご相談をおすすめします。
